米作りとおにぎりのま法
第49回ごはん・お米とわたし 作文・図画コンクール
福井県農業協同組合中央会 会長賞
坂井市立東十郷小学校 6年 中西 佑太
ぼくの家の近くには祖父が住んでいて、一級建築士として建設会社に勤務しているだけでなく、農業もしている。そう、ぼくの祖父は二刀流なのだ。七十さい近い祖父が、平日は朝早くから夜おそくまで仕事をして、土日は田んぼ。暑さにも寒さにもまけずに農業をがんばることができ、そしてぼくたちがおいしいお米を食べることができるひけつをさぐってみることにした。
九十二さいになった祖父の母、ひいばあちゃんに聞き取り調査をしてみた。昔は、個人で農業をやる家が多かったようだ。そういえばぼくの母も、子どものころ、苗箱洗いの手伝いをするなど、家族ぐるみで米作りをしていたそうだ。そして、農作業が終わってから、家族みんなで食べるおにぎり作りの手伝いをがんばったことなども自まんしてくる。ぼくは、十二年間生きてきて、手伝いもせずにおいしい米を食べる専門家になっていることが、幸せでもあり、なんだか申し訳なく思えてきた。
ただ、時代の流れと共に、米作りの在り方が変わってきたそうだ。法人化といって、同じ地区に住んでいる人達が協力して米作りをする在り方に変わってきたというのだ。平日時間のある人、祖父のように土日働ける人が協力しながら、地区の田んぼの管理をしているそうだ。働き手のいない家の田んぼの管理もしているから安心だ。祖父も土日は大変だが、無理なく米作りができ、自分の田んぼを守り続けることができるのだと思った。
法人化されてからは、十一月に収かく祭が行われるようになった。公民館には区民が集まり、新米で作られたおにぎりを食べながら実りの秋に感謝している。そしてそこでは、区民との交流も生まれる。ぼくは収かく祭が大好きだ。法人化によって、おいしい米作りを支えているだけでなく、地区の活性化につながっていることに未来を感じた。これからも続いていきますように。
もう一つ、ぼくには、お米からもらい続けているま法がある。ぼくは、少年野球をしている。あと、数週間で小学生最後の夏の大会が終わる。ここ数カ月間、全力でがんばってきた。完投完封勝利ができたこともある。小学生低学年から野球を続けられたこと、高学年になって成績を残すことができるようになったこと、そのひけつは、ぼくを支えてくれる「おにぎり」にあると思うのだ。祖父、そして地区の人達のたましいがこめられた「おにぎり」に、さらに母の愛情が加わって最強のおにぎりになっていると感じるのだ。母に野球ランチのリクエストを聞かれる。ぼくはこれからも迷いなく「おにぎり」と答えると思う。これからも「おにぎり」からパワーをもらい、よい成績を残していきたいと思う。そしていつかは、食べる専門家から、米作りの手伝いができる人間になりたい。