体を大きくする力

第44回「ごはん・お米とわたし」作文コンクール
福井県農業協同組合中央会 会長賞
福井市日之出小学校 5年 前側 和哉

 「チビ。」そう言われたってしょうがない。五年生にしては身長が低く、体が小さい。心の中ではいつ大きくなれるか不安でしかたがない。僕はミニバスケをやっている。試合の時、体の大きな選手にパワー負けしてしまい、悔しい思いをしている。どうすれば体が大きくなるかを考えてみたことはあるが、考えても思いつかなかった。そんな時、ある一言が僕の心の不安を消した。

 「とにかくお米をたくさん食べなさい。でもそれだけではなしにすききらいせずいろいろ食べなさい。そうすれば体は大きくなる。」

 この言葉は僕が行く治療院の先生やミニバスケのかんとくが教えてくれた言葉だ。ごはんといえば日本人の主食で僕の一日のエネルギーの源となっている。だがその言葉を聞いたときは、「本当にたくさんごはんを食べると大きくなるのかな」と思った。でもごはんは好きだし、僕でも出きそうな気がしたのでチャレンジしてみた。 始めて数日はおやつでお菓子の代わりにおにぎりを食べたり、夜ごはんで積極的におかわりをしたりしてたくさんごはんを食べていた。しかし二、三週間経つとおやつでお菓子を食べたくなってしまった。でもごはんをたくさん食べるために、お菓子をがまんする日もあった。そうしてごはんをたくさん食べるように心がけていくと、一カ月ほどたったある日、おじいちゃんや学校の保健の先生に、

 「大きくなったような気がする。」

と言われた。あまり実感はなかったが、「大きくなった」と思ってもらえたことがとてもうれしかった。それはやはり、毎日たくさんごはんを食べていたおかげなのかなと思った。

 お菓子を食べたくなる気持ちに負けそうな時もごはんを食べ続けたことによっていいこともあった。例えば、今までごはんをおかわりしようか迷った時、おかわりをせずに食事を終わってしまうことがあった。でも今では必ずおかわりをするようになったこと。またラップを使っておにぎりをつくれるようになったことだ。

 こうしてごはんをたくさん食べ続けて僕はようやく分かった。ごはんには『おいしさ』だけではなく、たくさん食べて『体を大きくする力』があることを。

 これからももっと体を大きくするためにたくさんごはんを食べたり、僕がきらいな食べ物もしっかり食べたりして、パワー負けしない体をつくれるようがんばりたい。