米作りの苦労

第42回「ごはん・お米とわたし」作文コンクール
福井県知事賞
福井市明新小学校 6年 岡崎 允彦


 ぼくは、自然が大好きです。おじいちゃんの家は、田舎で、山に囲まれ、川が流れ、田と畑ばかりです。村には、20軒ほどの家しかありません。コンビニなんてもちろん、自動販売機すらありません。でも、ぼくは、おじいちゃんの家に行くと、心も体も休まる気がして、時間があればすぐに行きます。おじいちゃんは、以前、教員の仕事をしていましたが、定年退職して、今は農業をしています。主に米作りです。毎年、田植えの時には手伝いに行きます。苗の入っていた箱を洗うのがぼくの担当です。苗の根が、こびりついてなかなか落とせないので大変です。おじいちゃんは機械で苗を植えます。田植えが終わると、水の管理、草かり、みぞきり、肥料をやるなどの作業が、米がとれるまでにたくさんあります。最近では、イノシシが、田や畑に入って、米や野菜をだめにしてしまうので、入らない様にするために、柵作りの仕事が増えたそうです。毎日、毎日、自然との戦いだそうです。先日は、台風が来て、稲がたおれて、水につかってしまわないか、心配で心配で眠れなかったそうです。米がとれるまでには、いろいろの苦労があるようです。簡単に自然が大好きだと言った自分が恥かしくなりました。

 おじいちゃんは、現在、75歳です。心臓の病気で入院した事もあります。その入院している時でさえ、米の事を心配していました。自分の入院している時は、村で一緒に、米作りをがんばっている仲間に頼んで手伝ってもらっていました。その仲間も、病気で、今はもういません。米作りの仲間が、一人、また一人と亡くなっているそうです。最近、おじいちゃんの元気がないのは、そのせいだろうか。本当は若い世代に引き継いでいくのが一番ですが、農業の3K、つまり、(きつい、汚い、カッコ悪い)といわれ、農業から離れていく人が多いそうです。

 お盆に、お墓参りに行きました。とても、暑い日で、こんな日でも、おじいちゃんは、朝早くから、草かりをしていました。ぼくも初めて草かりの機械で草かりをさせてもらいました。今まで端で見ていて、簡単そうに見え、また、おもしろそうにも見えました。でも実際にしてみると、肩にベルトをかけて、両手でハンドルを持って、足もとまである長い機械の先の刃を左右に勤かし、草をかるのですが、すぐに、肩や、うで、腰まで痛くなってしまいました。20分は、がんばったのですが、ダウンしてしまいました。おじいちゃんは、この仕事を毎日、何時間もしているのです。おいしい米を食べてられるのも、こんな大変な苦労があるからです。

 そんなおじいちゃんは、ひまを見つけて、ぼくのサッカーの試合を見に来てくれます。おじいちゃん、今度は、稲かりの時に必ず手伝いに行くからね。